組織人事戦略研究会
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組織人事戦略研究会 第27回研究会開催
 
テーマ 「総括としての経営論・組織論」
内容
 2011年1月の事例研究会は、
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長 出口治明 様をゲストにお迎えします。


■講演のポイント

 ・他責ではない、政治に期待する前に自分たちでやる
 ・経営者と人事はつながっていなければならない
 ・女性の活躍といいながら女性役員が出ない現状
 ・海外に行きたがらない若手社員、まず自分たちが現場を経験するべき
 ・若い人に文句をいう前に大人が見本をみせるべき
 ・青田買いは若者、企業をだめにする。とことん勉強させる
 ・ライフネットが新入社員受け入れを30歳まで枠を拡げた理由

講師
プロフィール
■講演者プロフィール

大学を卒業後、日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に東奔西走する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。2005年より東京大学総長室アドバイザーを勤め、2006年に準備会社を設立。2008年より現職。

■ 著書
『生命保険はだれのものか』(ダイヤモンド社、2008年)
『生命保険入門 新版』(岩波書店、2009年)
『直球勝負の会社』(ダイヤモンド社、2009年)

* 出口治明(Wikipedia)



   
■日時 2011/1/20(木)18:45〜22:00(開場:18:30)
※21:00〜22:00は講師参加の懇親会です。
   
■会場 銀座フェニックスプラザ 紙パルプ会館
(東京都中央区銀座3-9-11紙パルプ会館)
地図:会場までの地図はこちらをご確認下さい.
   
■定員 25名 【終了しました】
   

 
第27回研究会 ご報告


今回の組織人事戦略研究会の研究テーマは『総括としての経営論・組織論』で開催いたしました。
ゲストとして、ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長の出口治明さまにお越しいただき、
「リーダー、経営、組織とはどのようなものなのか?」ということに関してご講演いただきました。


森の姿・形を知る

「人が生きることとは世界経営計画のサブシステムであるべき」今回の講演はその言葉から始まりました。世界を変えるためには、まずその現実の姿・形を認識する必要があり、そのうえで「どう変えたいのか?」、「自分はどう動くべきか?」を考えていくことが重要であると出口さんは述べられています。そこで、まず「森の姿・形(=現在の日本の状況)」について、出口さんのお考えをご紹介いただきました。

現在の日本の国家的な問題として、異常なまでに膨れ上がった財政赤字が挙げられますが、その根本的原因は少子高齢化、すなわち現在の日本が一票の格差の大きい「男性老人国家」であると述べられています。
少子高齢化や財政赤字については、既に20年前から問題視されていることですが、その対策を打ってこなかった理由を出口さんは、「戦後の高度経済成長期はアメリカという明確なモデルがあったため、考える必要がなく、単に日本の経済成長速度のみを求めていた男性老人(=田舎のおじいさん)が今尚リーダーであることに原因があると考えられる」とのことです。10年後の日本の姿・形を「想像できない」「何も考えていない」人物がリーダーであり、この国の癌とも言える。それが「森」、すなわち日本の客観的な姿・形であると述べられています。


リーダーとは

それでは、リーダーとは一体どのような条件を備えた人物なのでしょうか?その条件は以下の3つの要素であると出口さんは考えておられるそうです。
@ 夢(ビジョン)がある(やりたいことがある)
A 旅の仲間を募る力がある(その夢に共感させる説得力がある)
B 目的地まで旅を続ける統率力がある(多くの仲間をチームワークさせるリーダーシップがある)
ただし、3つの要素を備えた人物は現実にはほとんどいないため、その場合に重要となるのが、経営チームとして相互補完ができるかという事となるとのことです。

そのようなお考えのもと、出口さんが実際に社長として行っている事を語っていただきました。
まず、社長としての仕事のうち10%は「わからないことを決めること」に当てておられるとのことです。部下が完璧な資料を作成し、それを判断するだけなら高校生でもできます。しかし、時間や資源には限りがあり、完璧な資料ができることなど現実的にありえません。そのような「判断できない」状況で「決めていく」ことこそリーダーの役割であると述べられています。
そして、残りの90%は何であるかと言うと、「社員が朝起きた時に会社に行きたいと思う風土づくり」であり、このことが高い生産性を引き出すために必要な要素であるとのことです。


経営とは

続いて、経営についての話に移りました。まず、前提として「衣食足りて礼節を知る」という故事成語の通り、経営とは収益の継続的な向上を第一に考えるべきであり、そのうえで重要であるのが「夢(ビジョン)の実現が旅の目的」とのことです。

そういった前提のもと、出口さんは経営の定義について「人とはちがうことをやること」と考えておられるそうです。人と違う事を考えるということが大切であり、そしてその考えの違いを相手に伝えることが人間の人間たる所以であると述べられています。
ただし、その一方で「人の真似」をすることも重要であると主張されます。真似とはすなわち周囲の情報をインプットすることであり、その積み上げられた情報をピックアップしていくことで人とは違うことが創造できると出口さんは語っておられます。


組織とは

最後に組織を運営する際の重視している点について話していただきました。

まずメンバー構成については、限られた管理スパンや与えられたメンバーの中で、どう組み合わせれば一番強いチームになるのかを考えることが大切であると語っておられます。
また、人を育てる際に「長所を伸ばし、短所をなくす」という方法を否定しています。これは長所と短所は同じものであり、短所をなくそうとすれば長所も同時に失われるからです。「尖がった石(長所)を削れば、小さい丸い石になるだけ。石垣は様々な形の石が組み合わさって強くなる」と出口さんは考えておられるとのことです。
そして、もう1つ重視しているのが「評価の公平性」とのことです。一人ひとりの強みと弱みを考慮した公平な評価を行うことが大切であり、全てのスタッフを同じようにリスペクトすることが大事であると語っておられます。

これらの点を重視しながら、出口さんは「楽しい会社」を作ろうとしているとのことです。楽しいことや異質な人とぶつかった時に生じる刺激が脳を活性化し、組織の生産性が向上すると語っておられます。


討議

講演に続いて、『経営者育成に関して、どのような取り組みを行っているか?』を議題として参加者による討議が行われました。
参加者に行ったアンケートでは、50%(18人中9人)が、「経営者育成に関する取り組みを行っている」という結果でした。それらの企業では「選抜式の研修」や「異動による評価の見直し」などが行われているとのことでしたが、ここでは「育成方法」よりも「経営者候補となる尖がった人材をどうやって発掘するか?」という点が議論の中心となりました。

まず人事側の問題として、人事が「会社の方向性」や「資源の投入先」を見ていないことが問題点として挙げられ、そのような状況が、人事が経営者候補となる人材を見極めることが難しい原因となっているということが指摘されました。
また、経営者候補として選抜される人材についても、日本企業、特に大手では50代後半が中心であるのに対して、海外企業では30代が中心であるという点から、若返りの必要性があることが指摘されました。

出口さんは日本企業の経営者(リーダー)に関する問題として、年齢以外にも3点挙げておられます。
1つ目は、海外企業では博士号または修士号取得者が多く、専門性で勝てない点。
2つ目は「周りを引っ張っていくのがリーダー」という現在のリーダー像で、一部の人格者を求めるような日本企業のあり方を払拭することが必要としています。
そして3つ目は女性活用が進んでいない点。日本のリーダー視点で最も足りない部分であり、特に目標とする女性がいないことが育成の妨げになっていると語っておられました。

参加者の声

本質的な話しで感動しました。少しでもマネの出来るところを見つけて実行します
現在企業や社会が抱える問題に対して、分かりやすく説明いただけた。常識にとらわれない、具体例を知ることができた
さまざまな視点・論点が次々に繋がって展開されるのを非常に楽しく聞かせていただきました
人事のみならず、幅広い視点で興味深い話が伺えた
非常に良い内容で、ほかの多くの人にも聞かせたいです
人事は経営そのもの、と考えながらも、いかに実践していくべきか、常に自問自答しておりましたが、貴重なお考えに触れることが出来、意欲が沸きました
考え方見方がまったく同じで驚きました。合理的且つシンプルで骨太に考えていらっしゃる方であり尊敬します
ものの考え方が新鮮
社会全体の動きを考えながら、話しが進んでいくことは非常に共感がもてた
原理・原則に根ざした軸の通った総括を拝聴でき、勇気も湧きました







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